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あなたは「破天荒な人」というとどのような人を思い浮かべますか?
ちょっと「おてんば」だったり、「大胆」で「豪快」な人を思い浮かべたりしませんか?
実のところ、これは大きな間違えなのですが、とはいえ恥じることはありません。なんと日本人の約60%がこのようなイメージを持っているようです。
では「破天荒」とはどのような意味を持つ言葉なのでしょうか?
この記事では「破天荒」の意味や語源、英語の表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「破天荒」の意味と語源
「破天荒」の意味
それでは「破天荒」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「破天荒」は「はてんこう」と読みます。
「破天荒」とは「今まで誰も成し得なかったことをする」という意味です。
豪快で型破りな行動は誤用ですが、現在日本ではこの意味の方が広まっています。
「破天荒」の語源
続いて「破天荒」の語源をご紹介します。
中国の歴史的な州のひとつである荊州(けいしゅう)から身分にかかわらず、誰でも受けられる官吏登用試験である科挙(かきょ)の合格者が一人も出なかったことから、世の中の人はこれを「天荒」と呼びました。
「天荒」というのは元々、「未開の地」や「凶作などで雑草の生い茂る様子」という意味でした。
そして、劉蛻(りゅうぜい)さんという人が遂に荊州から初めて合格したのです。
そして「天荒を破った」と言われました。
そこから「破天荒」という言葉が出来上がり、「誰も成しえていないこと」ということが「破天荒」と呼ばれるようになりました。
「大胆な人」や「豪快」という誤用で使用されています。
漢字のイメージからそのような間違えになってしまったのではないでしょうか。
「破天荒」の英語表現と類義語
「破天荒」の英語の表現
次に「破天荒」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。
- Unprecedented(破天荒、未曽有、前代未聞)
【例文】
- I was surprised to your unprecedented(君の破天荒には驚かされた)
- To that anyone of unprecedented not be achieved(誰も成し得ない破天荒なことをする)
「unprecedented」は「precedented(前例)」の否定の言葉で、「前例がない」という直訳になります。
「破天荒」の類義語
「破天荒」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。
- 前代未聞(ぜんだいみもん)
- 前人未踏(ぜんじんみとう)
「前代未聞」は「今までに誰も聞いたこともない大変珍しいこと」という意味です。
「前人未踏」とは「今まで誰も到達していないこと、誰も足を踏み入れていない領域」という意味です。
これらの言葉はどれも「破天荒」と同じで「今までだれも~」という、初めてのことだという状態を表す言葉です。
ちなみに、「前人未踏」についてはこちらの記事をどうぞ。
「破天荒」の使い方
最後に「破天荒」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「テレビには破天荒な内容の放送が多く、“やらせ”ではないかと疑ってしまう」
- 「私の破天荒な記録を打ち破る人は現れないでしょう」
- 「気が付けば、誰も成し得ていない破天荒な行動をしていた」
- 「もちろん、ギネスブックに載っているのは破天荒な行動ばかりだ」
- 「彼の発想は、破天荒で実際にやってみると難しいことばかりだ」
「破天荒」は今まで誰もやったことがない行動を表現する言葉です。
「破天荒な(行動)」「破天荒な(内容)」などと使用される場合が多いですね。
「破天荒」な人は特別ではない
「破天荒」は今まで誰も成し得なかったことという意味ですが、これは特別な才能がある人でしか成し得ないということではありません。
「誰もできなかったこと」と「誰もやろうとしなかったこと」があるのです。
ですから、「何か記録を残したい」「歴史に爪痕を残したい」と思う方は、誰もやろうと考えないことに一歩踏み出してみると「破天荒」になるかもしれません。
しかし、人を傷つけるような行動にならないようご注意ください。
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