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小さな子供が親の真似をして一生懸命お手伝いをすることがありますね。それを見て「一丁前に」って親は言いますが、その顔はとっても優しい表情なことが多いです。
親子以外でも、弟子や部下に対して「一丁前に」ということもあるでしょう。
上から目線ではあるものの、この時も成長を見守っている暖かい言葉に聞こえます。
そして、そのあとは更に上手く行くようにアドバイスしたり、お手本を見せたり、本当に微笑ましい場面を思い浮かべます。
この記事では、「一丁前」の意味や語源、使い方の例文、類義語や英語の表現をご紹介します。
「一丁前」の意味と語源
「一丁前」の意味
最初に、「一丁前」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが、「一丁前」は「いっちょうまえ」と読みます。
「一丁前」とは、「大人、成人としての資格、能力がある」という意味です。
「一人前」と同義語で、「一人分の量」「所属している場所で仲間と認められる」という意味もあります。
「いっちょまえ」ということもありますが、これは訛(なま)ったものです。
「一丁前」の語源
続いて「一丁前」の語源をご紹介します。
「一丁前」は、昔の律令制度から出来た言葉です。
「丁」は「正丁(せいてい)」といって律令制度の「21歳から60歳までの健康な男子」のことを言い、政治に参加でき、働く能力のある公民の男性のことを表わしています。「正丁」が「丁」と略され「一人前」と合わさって「一丁前」という言葉が誕生しました。
「丁」という漢字一字の中にも「成年に達した男の人、働きざかりの男性」という意味があります。
「一丁前」の使い方
次に、「一丁前」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「うちの息子が、一丁前に彼女を家に連れてきた」
- 「一丁前に、妹の世話を焼く長女がけなげに見える」
- 「新人が一丁前に契約を取ってきたので、心の中ではおめでとうと言った」]
- 「3歳の息子は、一丁前にママの心配をしている」
- 「一丁前の口をきいているが、まだまだ半人前の子どもの将来が楽しみだ」
「一丁前」は子供や部下、弟子などに対して使用する場面が多いですね。
「一丁前(の口をきく)」「(息子が)一丁前に」などと使われます。
「一丁前」の類義語と英語表現
「一丁前」の類義語
それでは、「一丁前」の類義語をご紹介します。
- 一人前(いちにんまえ)
- ひとかど
「一人前」は前述したように同じ「一人分の量」「所属している場所で仲間と認められる」という意味です。
「ひとかど」は「きわだっている」「すぐれている」という意味と「一人前」「それ相応」という意味があります。「ひとかどの人物」などと使われます。
「一人前」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「一人前」とは?意味と語源、英語表現・類義語【使い方の例文】
「一丁前」の英語の表現
最後に、「一丁前」の英語表現をご紹介します。
- Full-fledged(一人前)
【例文】
- I grew up to be a full-fledged adult(一丁前の大人に成長しました)
- There is still a long way to go before I can do a full-fledged job(一丁前の仕事が出来るまでまだまだね)
「Full-fledged」は「羽毛が生えそろった」という意味、大人になったことを表わしています。「立派に」や「本格的」ということでも使われる英語です。
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まとめ:身近な人向けの「一丁前」
以上、「一丁前」についてご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | いっちょうまえ |
意味 | 大人、成人としての資格、能力がある、一人前のこと |
語源 | 丁は「正丁」のこと「政治に参加ができ、働ける男の人」のことをいい、「丁」と略され「一人前」と合体したもの |
類義語 | ・一人前(いちにんまえ) ・ひとかど |
英語表現 | Full-fledged(本格的) |
「一丁前」は「一人前」と同じ意味で使用されますが、使う場面はカジュアルなときや近しい間の人と使うことが多いです。
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