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あなたは、修行というとどんなものを思い浮かべますか?
なんとなく、滝行や座禅など厳しいものを想像しませんか。きつい、苦しいという修行が物事を究める為に必要と考えがちですね。
また、結婚や人生も修行だと言われることがあります。これも厳しいことが多いからですね。それから、写経や「禅問答」なども修行のひとつです。
「禅問答」は、あまり聞き馴染みがない修行かもしれませんが、悟りをひらくためには必要な修行なのです。
この記事では、「禅問答」の意味と語源、使い方の例文、類義語と英語表現をご紹介します。
「禅問答」の意味と語源
「禅問答」の意味
最初に、「禅問答」の意味をご紹介します。
まず読み方ですが「禅問答」は「ぜんもんどう」と読みます。
「禅問答」とは、「筋の通らない、かみ合わない問答」「真意が捉えにくい会話」という意味です。
また、禅宗の僧と修行者とのやりとりで、悟りをひらくために行われる修行法のひとつです。
「禅問答」の語源
続いて、「禅問答」の語源をご紹介します。
「禅問答」は仏教の宗派のひとつである、禅宗の僧が弟子からの質問に答えるというところから来ています。
これは、れっきとした禅宗の修行で、「公安(こうあん)」とも言われています。
質問がどういう修行になるのかというと、弟子は師匠に質問をします。それに師匠が答えるのですが、何でもすぐに答えを言ってしまってはダメです。
私たちも、解らないことは質問をして理解を得ようとしますが、すぐに答えを言われるとそれ以上考えることをしないことが多いです。
解りやすく答えを教えられると、それに納得してしまい、それ以上の思考がストップしてしまいます。
たまに、疑問を持ち、「これはこうではないのですか?」と更に質問攻めにする人もいますが、多くの人は質問の答えをもらうと納得するのです。
そこで「禅問答」ですが、「筋の通らない問答」というのがカギで、弟子からの質問にすんなり答えを言ってしまうと、弟子は師匠の言葉ですから絶対的な信用を持っています。
師匠が言ったことが「正解」となり、そのあとは考えることを止めてしまうのです。
それでは僧の修行にはなりません。数学ではないので「答え」は1つではありません。
師匠は弟子にもっと思考を巡らせてほしいと、訳の分からない答えを言うのです。
傍から聴いていると「意味が解らない」となりますよね。そんなやりとりが「禅問答」として使われるようになりました。
また、物事について色々な考えを巡らせると同時に、心でも感じてほしいと師匠は願っています。正解を出してほしいわけではありません。色々なことを考え、時には実践し、感じていくことが「禅問答」の修行です。
「禅問答」の使い方
次に、「禅問答」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「あの夫婦の会話は、話が通じなくて禅問答のようだ」
- 「漫才は、ときに禅問答の繰り返しのように思える」
- 「一休さんの頓智は、禅問答のような話が多いな」
- 「禅問答の修行を私もしてみた」
- 「禅問答のように聞こえるが、二人の会話の真意は良く考えれば見えてくる」
「禅問答」は、元々悟りをひらくための修行でした。
「禅問答を(繰り返す)」「禅問答の(会話)」などと、使われることが多いですね。
「禅問答」の類義語と英語表現
「禅問答」の類義語
それでは、「禅問答」の類義語をご紹介します。
- 押し問答(おしもんどう)
- 質疑応答(しつぎおうとう)
「押し問答」は、「自分の意見を引かずそれぞれが言い争うこと」ということです。これは質問と答えではなく、意見のぶつかり合いで使われます。
「質疑応答」は、「会議などで質問をし、それに答える」ということです。疑問があれば質問し、答えを言う、そのやりとりをいいます。
こちらの「応酬話法」も類義語ですね。合わせて、ご覧ください。
「応酬話法」とは?意味や英語表現、類義語をご紹介【使い方の例文あり】
「禅問答」の英語表現
最後に、「禅問答」の英語表現をご紹介します。
- Zen dialogue(禅問答)
- Zen questions and answers(禅問答)
【例文】
- I study the Zen koan dialogue(禅問答の修行をする)
- I am told that a conversation with her is a Zen koan dialogue from the circumference(彼女との会話は、禅問答だと周りから言われる)
「禅」は、「Zen」と英語でそのままの発音で使用されています。
「禅」の思想が海外でも取り入れられています。
著名人も気持ちを落ち着かせる為に、「禅」を生活の一部に取り入れ瞑想をするなど修行をしているのです。
三字熟語の英語表現を、実践で使えるビジネス場面別でまとめました。
ビジネス英語で使える三字熟語のまとめ30選【英語勉強サイトもご紹介】
まとめ:「禅問答」で思考を止めない
以上、「禅問答」についてご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | ぜんもんどう |
意味 | 筋の通らない、かみ合わない問答、真意が捉えにくい会話 |
語源 | 禅宗の僧が弟子からされた質問に対し、一見、筋の通らない答えをし、会話がちぐはぐに聞こえるところから。 |
類義語 | ・押し問答(おしもんどう) ・質疑応答(しつぎおうとう) |
英語表現 | ・Zen dialogue(禅問答) ・Zen questions and answers(禅問答) |
「禅問答」は、禅宗の修行が由来でした。
私たちの生活の中でも取り入れると、物事の本質について深く考えることができますので、思考は止めないでください。
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