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家のリフォーム番組を見ていた時のことでした。「この柱は大事な柱だから残さなければいけません」と、その柱が「大黒柱」であることを大工さんは指摘していました。その時、私は「大黒柱」は建築様式が進化してもいつまでもあるのだなと思いました。
ところで、「大黒柱」はなぜ「大黒柱」と呼ぶのか不思議に思いませんか?現代の家だと壁の中に隠れて見えない物が多いですが、太さも他の柱とは変わらず黒いわけでもないのです。
この記事では「大黒柱」の意味や語源、英語の表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「大黒柱」の意味と語源
「大黒柱」の意味
それでは「大黒柱」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「大黒柱」は「だいこくばしら」と読みます。
「大黒柱」とは「家や、国を支える中心人物」という意味です。
家族を支えている人や国を中央で支えている人を表します。
「大黒柱」の語源
続いて「大黒柱」の語源をご紹介します。
一つ目は、古くは平城京、平安京まで遡るのですが、二つの都の政務を行っていた大内裏(だいだいり)の中心のことを「大極殿(だいごくでん)」と呼んでいました。そこにある柱が太くて立派だったことから、そのように中心で支えている柱のことを大極柱(だいこくばしら)と呼んでいたのです。
二つ目には、昔の家は台所に面したところに柱があり、その柱に「台所の神様」として七福神の1柱である「大黒天」を祭ったことから「大黒柱」と呼ぶようになりました。
このように、「大黒柱」は建物の中心で支えている柱ということで、「家や国を支える中心人物」という意味で使われるようになっていったのです。
「大黒柱」の英語表現と類義語
「大黒柱」の英語の表現
次に「大黒柱」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。
- central pillar(大黒柱)
【例文】
- I am the central pillar of the family from today(今日から私が一家の大黒柱です)
- It is father of the central pillar of my home(我が家の大黒柱の父です)
「central」は「中心」という意味で日本語でも「セントラル」と使いますね。「pillar」は「柱」「支柱」という意味で、「central pillar」は直訳すると「中心の柱」という意味です。他にも「main pillar」という英語で表すこともあります。
「大黒柱」の類義語
「大黒柱」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。
- 屋台骨(やたいぼね)
- 拠り所(よりどころ)
「屋台骨」とは「屋台を支える骨組み」「家の構造」というところから「家族を支える働き手」を表す言葉として使われています。
「拠り所」は「頼みとしている処」「支えとなっているところ」という意味です。どちらも
「大黒柱」のように支えてくれる存在です。
「大黒柱」の使い方
最後に「大黒柱」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「うちの大黒柱は、父と兄の二人がいる」
- 「俺が一家の大黒柱になってやるよ」
- 「兄は中学を卒業後、生活のために進学はせず働き一家の大黒柱となった」
- 「この大黒柱を切ると、家全体が傾きますよ」
- 「大黒柱を失って気落ちしていた母のために、私は自分が家を支えていくと決意した」
「大黒柱」は家や国家を支える中心となる人、あるいはリアルに家の構造を支えている柱を表します。
「大黒柱(になった)」「大黒柱を(失う)」などと使用されることが多いですね。
すべての人が「大黒柱」
「大黒柱」は、どの家や国・団体・組織にも存在します。一人暮らしの人は本人が「大黒柱」ですし、夫婦二人助け合って共稼ぎの場合はどちらも「大黒柱」ですね。しかし、お金を稼いでくる人だけが「大黒柱」という訳でもないのです。精神的に支えてくれている存在が「大黒柱」なこともあります。
もしかすると、どんな組織も全ての人が「大黒柱」なのかもしれません。誰か一人でも欠けることは、ほんの少しでも傾くものですからね。
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