「泥仕合」とは?意味と語源、英語表現・類義語【使い方の例文】

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80年代頃まではテレビドラマで、スポ根ものが流行っていた時期がありましたね。ラグビーのドラマなんて本当に感動的でした。正々堂々と実力で戦う、雨で泥だらけになりながら、前が見えなくても戦うことが美しいとされていました。
今でも、現実に泥まみれの試合は「泥仕合」と呼ばれることがあります。でも、ちょっと待ってください。どうして「泥試合」ではないのでしょうか。意味が同じことなのか、全く違うことなのか不思議ですね。
この記事では「泥仕合」の意味や語源、英語の表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。

「泥仕合」の意味と語源

「泥仕合」の意味

それでは「泥仕合」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「泥仕合」は「どろじあい」と読みます。
「泥仕合」とは「相手の弱点、秘密、欠点を暴いて醜く争う」という意味です。
揚げ足をとって、足の引っ張り合いをすることを言います。
「泥試合」とは書きません。漢字の内容が意味に合っている気がしますが、「泥試合」は誤りです。

「泥仕合」の語源

続いて「泥仕合」の語源をご紹介します。

「泥仕合」は江戸時代の歌舞伎の舞台から出てきた言葉です。当時、舞台では様々な仕掛けをした演目があり、その中には屋根の上で立ち回る「屋根仕合」、舞台を真っ暗闇にして立ち回る「闇仕合」、夏には水中で立ち回る「水仕合」が行われていました。
その中には舞台の上に泥田(どろた)を作り、泥の田んぼの中で泥まみれになって立ち回りをする「泥仕合」もあったのです。「泥仕合」は役者が泥まみれで醜い争いを演出するものでした。そこから、人の弱点や秘密などを暴露し合って醜い争いをすることを「泥仕合」と言うようになったのです。
正々堂々とした争いではなく、人の欠点に傷をつけあうようなことを「泥仕合」と言い、スポーツなどでドロドロの場所で試合をすることは「泥仕合」の本当の意味とは違うということですね。

「泥仕合」の英語表現と類義語

「泥仕合」の英語の表現

次に「泥仕合」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。

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  • mudslinging(泥仕合)

【例文】

・They have begun mudslinging(彼らは泥仕合を始めてしまった)
・A quarrel between politicians is only mudslinging(政治家同士の言い争いは泥仕合ばかりだ)

「mudslinging」は「中傷」という意味もあります。「mud」と「slinging」という単語に分けることができ、「mud」は「泥」、「slinging」は「投げる」ということ。「mudslinging」は「泥を投げる」という直訳になります。

「泥仕合」の類義語

「泥仕合」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。

  • 泥沼化(どろぬまか)
  • 一悶着(ひともんちゃく)

「泥沼化」は「問題などがなかなか解決までに辿り着けない」「悪い状況になる」ということです。
「一悶着」は「ちょっとした、争いごとやもめごと」という意味です。これらが醜い争い事となると「泥仕合」に変化していくのではないでしょうか。

 

「泥仕合」の使い方

最後に「泥仕合」の使い方を例文でご紹介します。

【例文】

  1. 「彼は、お家騒動で泥仕合の末に負けてしまった」
  2. 「女同士の争いは、泥仕合で醜いものになってしまった」
  3. 「議会の言い争いは泥仕合になり、話し合いとは程遠い」
  4. 「泥仕合なんか止めて、正々堂々とスポーツで戦いなさい」
  5. 「この二人が顔を合わせると、いつも泥仕合が始まってうっとおしい」

「泥仕合」は醜い争い、「目くそ鼻くそ」みたいなことで争うことです。決して、泥まみれの青春スポ根ドラマではありません。
「泥仕合の(争い)」「泥仕合が(始まる)」などと使用されることが多いですね。

 

「泥仕合」は勝ったといえない

「泥仕合」は語源が立派であるのに対し、意味は揚げ足取りや秘密を暴露し合うなど卑怯な戦いです。そんな「泥仕合」で勝ったとしても、気分が晴れないでしょうね。やっぱり戦いは正々堂々と、自分の持っている力で戦った方が「勝ったぞ!」という気持ちになれるのではないでしょうか。
もし、どこかで「泥仕合」が始まりそうな時、「泥仕合」に出くわしたときは「泥仕合」がどんなに醜い争いなのか教えてあげてみてください。

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