「有頂天」とは?意味と語源、英語表現・類義語【使い方の例文】

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奇跡みたいな良いことが、人生のうちに数回はあると思います。
そんなことがあると、人間は気持ちが天高く昇った気がして興奮します。
そして周りのことは目に入らなくなります。何しろ気持ちは天に昇っているのですから、天に周りの人はいませんので聞こえるはずがありません。
こんな喜びに満ちた気持ちのことを、「有頂天」と言います。
私も今まで数回はあったと思います。
何しろ「有頂天」なので、ただただ嬉しくて自分が「有頂天」であることさえ気が付かないものなのです。
では、「有頂天」とはどんなことなのでしょうか?
この記事では、「有頂天」の意味や語源、英語の表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。

「有頂天」の意味と語源

「有頂天」の意味

それでは、「有頂天」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが、「有頂天」は「うちょうてん」と読みます。
「有頂天」とは、「仏教の世界観のひとつで天上界における最高のところ。喜びで気分が舞い上がっている様子、また物事に熱中しすぎて他を顧みないこと」という意味です。
喜びで周りが見えなくなるということですね。

「有頂天」の語源

続いて「有頂天」の語源をご紹介します。
「有頂天」という言葉は仏教の言葉です。

「天の中の最上にある天」を意味するサンスクリット語の「bhava-agra」ということです。
仏教には三つの世界観「欲界(よくかい)」「色界(しきかい)」「無色界(むしきかい)」の三界があります。
「欲界」は人間の本能の性的欲求や食欲などを持つものが住むところ、「色界」は性的欲求や食欲から離れたものが住むところ、そして「無色界」は物質的なものから完全に離れたものが住むところで、三界の一番上に位置する世界です。
その「無色界」の中も4つの世界「四天」に分けられています。
その中の最高の処を「非想非非想天(ひそうひひそうてん)」といい、「有頂天」とは「非想非非想天」のことを言います。
「有頂天」の「有」とは「三界」のことをいい、「頂」は「てっぺん」という意味です。「天」はこの場合「天上界」のことで、「有頂天」は「三界のてっぺんの世界」ということになります。
「有頂天」は「非想非非想天」です。「「非想非非想天」というと難しく聞こえますが、三界の「無色界」の中の四天で、「物質的なものから完全に離れたものが住むところ」なのですが、煩悩(ぼんのう)がほんの少しだけはあります。
ですから、神や仏の世界に一番近い場所であり人間の生死の境目とも言われています。

「有頂天」という言葉の意味は「喜びで気分が舞い上がっている様子、また、物事に熱中しすぎて他を顧みないこと」という意味ですよね。
これは、嬉しすぎて「天にも昇る気分」とか嬉しすぎて「もう、死んでもいい!」と表現する人がいると思いますが、そのようなところから「有頂天」となったと考えられます。

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「有頂天」の英語表現と類義語

「有頂天」の英語の表現

次に「有頂天」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。

  • ecstatic(有頂天の)
  • seventh heaven(神と天使のいる最上天)

【例文】

  • There is a girlfriend, and he is in seventh heaven(彼はガールフレンドができて有頂天になっている)
  • I was ecstatic passed the audition(私はオーディションに合格して有頂天になった)

「ecstatic」は「有頂天の」の他に、「夢中で、恍惚(こうこつ)とした」という意味があります。「seventh heaven」とはイスラム教やユダヤ人にとっての神様がいるところと考えられる「第七天国」ということです。

「有頂天」の類義語

「有頂天」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。

  • 歓天喜地(かんてんきち)

「歓天喜地」とは「天に向かって歓よろこび、地に向かって喜ぶ」という意味で、大喜びするということです。
「有頂天」は「天」に昇ったような喜びに対し、「歓天喜地」は天にも地にも感謝しているようですね。

 

「有頂天」の使い方

最後に「有頂天」の使い方を例文でご紹介します。

【例文】

  1. 「彼は今、志望校に合格して有頂天になっているから何を言っても聞こえないよ」
  2. 「商売が右肩上がりの頃は有頂天になっていたので、周りの忠告なんて耳に入らなかった」
  3. 「初孫はまだ生まれていないけど、有頂天の私は気持ちが先走りおもちゃを大量にプレゼントした」
  4. 「彼女がプロポーズを受けてくれた。僕は有頂天で猛ダッシュした」
  5. 「プラチナチケットを購入できたけど、有頂天になりすぎて当日熱がでた」

「有頂天」は喜びが半端じゃないことを表す場合に使用しますね。
「有頂天(になる)」「有頂天(の私、君)」などと使うことが多いですね。

 

「有頂天」に気を付けましょう

人は「有頂天」になると周りが見えなくなり、ちょっと「おバカさん」になっちゃいますね。
良いことで喜ぶことはとても素晴らしい気持ちで毎日がそうでありたいとは思いますが、「有頂天」になると天に昇った気持ちで下が見えなくなり、落下することもありますので慎重にお願いします。

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