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日本の歴史の授業で一度は目にしたことのある「一揆」という文字、意味は覚えているでしょうか。
たしか低層階級の民が起こす武力行使の運動でしたね。武力行使は良いとは思いませんが、昔は住みやすい世の中にしようと一生懸命平民が立ち上がっていました。
現代はそのおかげか、大昔とは天と地の差で多くの人が大きな不満なく日々を過ごすことができています。
大昔の「土一揆」を見習えとは言いませんが、自分の生きる世界ですから自分も社会貢献して住みやすい世の中にしたいものです。
この記事では、「土一揆」の意味や語源、使い方の例文、類義語や英語の表現をご紹介します。
「土一揆」の意味と語源
「土一揆」の意味
それでは「土一揆」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「土一揆」は「つちいっき」または「どいっき」と読みます。
「土一揆」とは、「室町時代に、さかんに起こった農民や地侍の武装蜂起」という意味です。
京都に近い地域で多く起こっていた一揆です。政治の中心に近い先進地域というだけあって、社会情勢の不満から起こったようでした。
「土一揆」の語源
続いて「土一揆」の語源をご紹介します。
まず「一揆」の説明からします。「一揆」は何らかの理由で心を共にし、目標を達成しようとする共同体の武力による運動です。何らかの理由のほとんどが政治や経済に対する不満です。「一揆」は元々「心をひとつにする」「同心する」ということで使用されてきたのですが、徐々に武力による反乱を表す言葉になっていきました。
そして「土」ですが、よく使われる意味が「つち」の意味で岩が分解した土壌ということです。植物が根をはる「地」でもあります。この「土一揆」での意味は「土民(どみん)」を表わしています。「土民」は室町時代、農民や百姓のことを呼んでいました。
ですから、「土一揆」は「農民や百姓による武力運動」ということです。
ちなみに初めて農民が起こした「一揆」は「正長の土一揆」です。
「土一揆」の使い方
次に「土一揆」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「室町時代は、京都に近い地域で土一揆が盛んに起こっていた」
- 「土一揆は、農民たちの不満から起こった一揆だ」
- 「一揆には土一揆、徳政一揆、国一揆など色々ある」
- 「土一揆の殆どは徳政に関する一揆だったので、徳政一揆と呼ばれることもある」
- 「土一揆に似た百姓一揆もありますが、これは江戸時代の一揆です」
「土一揆」は、室町時代の百姓一揆のことですね。
「土一揆が(起こる)」「(正長の)土一揆」などと使うことが多いです。
「土一揆」の類義語と英語表現
最後に「土一揆」の類義語や英語表現をご紹介します。
「土一揆」の類義語
「土一揆」の類義語をご紹介します。
- 徳政一揆(とくせいいっき)
- 百姓一揆(ひゃくしょういっき)
- 一向一揆(いっこういっき)
「徳政一揆」は「徳政令の発布(債務免除)を要求する土一揆」という意味です。
「百姓一揆」は「江戸時代に農民(百姓)がおこした一揆」という意味です。
「一向一揆」は「浄土真宗を信仰していた人達が起こした一揆」という意味です。
一揆は日本のあちこちで起こっていました。今のように自由に意見を言えるような時代ではなく、百姓の小さな力が集結して世の中を変えようとしていました。
「一向一揆」はこちらの記事に詳しく書いています。
「一向一揆」とは?意味や語源をわかりやすく解説!英語や使い方の例文もご紹介
「土一揆」の英語の表現
では次に「土一揆」の英語表現をご紹介します。
- Peasant uprising(百姓一揆)
【例文】
- There used to be a peasant uprising to change the world(昔は世の中を変えるために百姓一揆があった)
「Peasant」は「農民」、「Uprising」は「反乱」という意味です。世界中でも農民の反乱はあったようです。
まとめ
以上、「土一揆」についてご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | つちいっき、どいっき |
意味 | 室町時代に、さかんに起こった農民や地侍の武装蜂起 |
語源 | 室町時代に土民と呼ばれた農民や百姓の武力運動 |
類義語 | ・徳政一揆(とくせいいっき) ・百姓一揆(ひゃくしょういっき) ・一向一揆(いっこういっき) |
英語表現 | Peasant uprising(農民の蜂起) |
「土一揆」は室町時代のクーデターのようなものでした。当時は地域のあちこちで不満を抱えた農民たちが反乱を起こしていたのですね。
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