「堪忍袋」とは?意味と語源、使い方の例文【類義語・英語表現】

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『結婚では、三つの袋を大切にすると上手くいく、ひとつは「給料袋」ひとつは「お袋」もうひとつは「堪忍袋」』と、一昔前の結婚式スピーチで話されていたことです。

あなたは、それぞれ何のことか、どうして大切にしたら上手く行くのか説明できますか?

 

「給料袋」は解りますね。昔は現金を袋に入れて手渡しで支払っていたのです。今時は「給料袋」自体も目にする人少ないでしょう。お金は大切です。「給料袋」を大切にしましょう。

 

次は「お袋」。相手の母親を大切に扱うと夫婦円満に過ごせます。本音と建て前です。イラついても頑張ってください。

 

では、「堪忍袋」はどのような袋ですか?

この記事では、「堪忍袋」の意味や語源、使い方の例文、類義語や英語の表現をご紹介します。

 

 

 

「堪忍袋」の意味と語源

 

「堪忍袋」の意味

 

最初に、「堪忍袋」の意味をご紹介します。

まずは読み方ですが、「堪忍袋」は「かんにんぶくろ」と読みます。

「堪忍袋」とは、「堪忍する度量を袋にたとえた言葉」という意味です。

我慢の容量のことを言い、「堪忍袋の緒が切れた」と使われることが多いです。

 

 

「堪忍袋」の語源

 

続いて「堪忍袋」の語源をご紹介します。

まず「堪忍」という言葉の意味ですが、漢字のまま「こらえてしのぶ」ことと、「怒りをこらえ過ちを許す」ということ、「苦痛を耐えて我慢する」「忍耐」という意味があります。

「堪」は「我慢する」「持ちこたえる」という意味の漢字です。

「忍」は「自分の感情を抑えてこらえる」「我慢する」という意味で、どちらも「こらえる」「我慢する」という意味があり強調されています。

なので「堪忍」という言葉は、ちょっとやそっとの我慢ではなく、かなりの我慢、こらえだということが解ります。簡単に怒ったり、諦めたりしないということです。「堪忍してくれ」「堪忍な~」と軽くお願いする方もいますが、実は「強く耐えしのんでね」というお願いをしていることになります。

そして、「袋」は「物を入れる形状のひとつ」という意味です。私たちも、日常で使用する機会が毎日のようにあります。形、大きさ、色など様々です。その「袋」を例えて「堪忍袋」という「袋」があり、我慢する袋がどんな人にもあります。

 

最もよく使用されるのは「堪忍袋の緒が切れる」ですが、意味は「もうこれ以上は我慢の限界で怒りが爆発する」ということです。

「緒」は「尾」と間違えやすいのですが、「紐」のことを表わしています。

袋の口を昔は紐でギュッと縛っていたのです。「財布の紐を締める」というのも昔は袋を財布として使用していたからでした。

「堪忍袋の緒が切れる」は、こらえて、こらえてギュッと締めすぎた紐が切れてしまったということなのでしょう。

 

 

 

「堪忍袋」の使い方

 

次に、「堪忍袋」の使い方を例文でご紹介します。

【例文】

  1. 「給料袋、お袋、堪忍袋を大切にしてください」
  2. 「昔は結婚式スピーチの定番、夫婦円満の秘訣の3つ袋にも堪忍袋が入っていた」
  3. 「それまで、一度も怒ったことが無かった彼女の堪忍袋の緒が切れた」
  4. 「こんなに好き放題していたら、奥さんの堪忍袋の緒が切れるぞと言われた」
  5. 「ついに、私の堪忍袋の緒が切れた」

 

「堪忍袋」は「堪忍袋(の緒が切れた)」と使われることが多いです。

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現代の言葉で怒ることを「キレる」と表現しますが、神経や血管が切れるイメージですが、「緒が切れる」というのは、神経や血管が切れることかもしれませんね。

 

 

 

「堪忍袋」の類義語と英語表現

 

「堪忍袋」の類義語

それでは、「堪忍袋」の類義語をご紹介します。

 

  • 我慢強さ(がまんづよさ)
  • 堪え性(こらえしょう)

 

「我慢強さ」は「忍耐力がある」「我を張る気持ちが強い」ということです。

余談ですが「我慢」は元々、仏教語で傲慢、高慢という煩悩のひとつ、自己に執着するということです。

「忍耐力がある」という意味になったのは近世後期ということで、嫌なことに耐える強情さから「忍耐力がある」という意味に変化して行ったのかもしれません。

「堪え性」は「辛いことを耐える性分」ということです。

それぞれ耐える、忍耐、という言葉がキーワードですが「我慢強さ」「堪え性」の限界が解りやすいのが「堪忍袋」の中身なのです。

 

「堪忍袋」の緒が切れると人は「阿修羅」と化すと言いますが、「阿修羅」については、こちらの記事に詳しく書いています。

「阿修羅」とは?意味と語源、英語表現・類義語【使い方の例文】

 

 

「堪忍袋」の英語表現

最後に、「堪忍袋」の英語表現をご紹介します。

 

  • Patience(忍耐)

 

  • I ran out of patience at last(ついに私の堪忍袋の緒が切れた)
  • He who ran out of patience jumped out of a house(堪忍袋の緒が切れた彼は家を飛び出した)

 

「Patience」という語のみで「堪忍袋」を表現できますが、「Patience bag」という表現もあります。

「My patience is exhausted」や「I am out of patience」で「堪忍袋の緒が切れました」という意味になります。

 

三字熟語の英語表現を、実践で使えるビジネス場面別でまとめました。

ビジネス英語で使える三字熟語のまとめ30選【英語勉強サイトもご紹介】

 

 

 

まとめ:「堪忍袋」は人によって様々

 

以上、「堪忍袋」についてご紹介してきました。

まとめると、以下の通りです。

読み方 かんにんぶくろ
意味 堪忍する度量を袋にたとえた言葉
語源 「堪忍」は強く「こらえて、忍」「耐える」ということ。その度量が「袋」で表現されている。
類義語 ・我慢強い
・堪え性
英語表現 Patience(忍耐)

 

「堪忍袋」はどんな人にも必ずありますが、大きな袋の人、小さい人、袋が破れている人、薄い人、ぶ厚い人など、種類は人それぞれのようです。

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