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知人のお年寄りが今は足が不自由で杖を使用しなければ歩くことが難しいのですが、「昔は足が丈夫で、二里も三里も歩いて、大きい道路まで出て街に行った」とお話してくれます。
このお年寄り、90歳超えなので昔っていつのことか…と考えてしまいます。そして二里、三里と言われても見当がつかないのです。2、3の数字だと、そんなに長い距離のような気がしません。三千里も歩く子供の話もありますから、二里、三里なんてあっという間ではないでしょうか。
では一里はどのくらいでしょうか。あなたはお解りになりますか?
この記事では、「一里塚」の意味や語源、使い方の例文、類義語や英語の表現をご紹介します。
「一里塚」の意味と語源
「一里塚」の意味
それでは「一里塚」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「一里塚」は「いちりづか」と読みます。
「一里塚」とは、「旅の目安として、大通りに一里ごとに置かれた土盛り」という意味です。
また、「大きな事業を達成する過程でのひとつの段階」としても使用されます。
「一里塚」の語源
続いて「一里塚」の語源をご紹介します。
「一里塚」は、江戸幕府の始まりから全国的に整備されて作られました。その前は、平安時代末期に奥州藤原氏が最初に始めたと言われています。
「一里」というのは、距離の1単位でおおよそ3.93kmあります。ことわざの「千里の道も一歩から」の千里は1,000倍ですから3,930km、「母を訪ねて三千里」の三千里は11,790kmですね。昔の人が1時間かけて歩く距離が約3.93キロメートルということから、「一里」ができました。その目印として、土を盛り樹木を植えたり標識を立てたりしたものが「塚」なのです。各街道にはたくさんの「一里塚」があります。
木を植えるのは、旅人が木陰で休めるようにするためなど優しさが現れていますね。
そして現代では、大きな事業を成す過程の一つの段階としても使われています。
「一里塚」の使い方
次に「一里塚」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「室町時代にあの有名な一休さんが詠んだ、門松は冥土の旅の一里塚という歌がある」
- 「ジョギングの目印は、一里塚にしよう」
- 「現在、国の史跡になっている一里塚もある」
- 「一里塚に植えられている樹木は榎や松が多いが、杉や桜、栗などが植えられているところもある」
- 「この壮大なプロジェクトは、一里塚に達するまでも大変なことだ」
- 「一里塚があることで、旅人は何時間歩いたか、おおよその時間が計れた」
「一里塚」は単なる場所ではなく、目標であり、時間の目安でもあります。
「一里塚は(道の目印)」「一里塚に(達する)」などと使用されることが多いですね。
「一里塚」の類義語と英語表現
最後に、「一里塚」の類義語、英語表現を合わせてご紹介します。
「一里塚」の類義語
「一里塚」の類義語をご紹介します。
- 里程標(りていひょう)
- 転換点(てんかんてん)
- 道標(みちしるべ)
「里程標」は「距離などを記した標識」、「転換点」は「方向が変わる転機」、「道標」は「迷わないような目印」という意味です。
「一里塚」の英語の表現
では次に「一里塚」の英語表現をご紹介します。
- Milestone(マイル標)
「Mile」は距離を表す単語です。その目印に置かれた石を「Milestone」と言い、塚の役割と同じということになりますね。
まとめ
以上、「一里塚」についてご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | いちりづか |
意味 | 旅の目安として大通りに一里ごとに置かれた土盛り、転じて大きな事業の過程のひとつ |
語源 | 人が1時間歩くおおよその距離(3.93キロメートル)ごとに目印を作り旅の目安とした。 |
類義語 | 里程標、転換点、道標 |
英語表現 | Milestone |
「一里塚」は旅の道標として作られたものでした。何もないところを歩くより、何か目印になるものがあるほうが頑張れるということですね。目標を持つことが楽しむコツなのかもしれません。
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