「守銭奴」とは?意味と語源、英語表現・類義語【使い方の例文】

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あなたが「お金持ちな人ではない」ということが前提でお話させていただきますが、あなたがお金持ちになったとしたら、どのようにお金を使いたいでしょうか。もちろん「お金持ち」というのはあなたの中にある、これくらいの蓄えがあればというもので結構です。私は親や身内に還元し、動物愛護に寄付をして残ったお金でどこかに移住し、のんびり過ごすことに使いたいです。お金を貯めこんでいても使わなければ紙切れ同然って言いますもんね。「守銭奴」になっていては、生きたお金にはならないのです。
この記事では「守銭奴」の意味や語源、英語の表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。

「守銭奴」の意味と語源

「守銭奴」の意味

それでは「守銭奴」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「守銭奴」は「しゅせんど」と読みます。
「守銭奴」とは「お金に執着する人」「お金を貯め込むケチな人」という意味です。
「節約家」や「倹約家」とは別で、お金があるのに貯め込む人のことをいいます。

「守銭奴」の語源

続いて「守銭奴」の語源をご紹介します。

フランスの劇作家であるモリエールさんの脚本に「L’Avare(アヴァール)」という題のものがあり、これを「守銭奴」と日本語で訳しました。「avare」というフランス語の意味は「ケチな」という意味です。実はそこから「守銭奴」という言葉が出来たか、はっきりはしていません。「L’Avare」よりも昔に「守銭奴」という言葉は存在していた、とも言われています。

「L’Avare」のあらすじは次の通りです。
高利貸しのアルパゴンという爺さんが主人公です。アルパゴン爺さんはお金持ちで、息子のクレアント、娘のエリーズの二人の子供の父親でした。アルパゴン爺さんは、この二人の子供をお金のために結婚させようします。そして自分は若い娘マリアーヌと再婚しようとしました。若い娘マリアーヌは貧乏な家で育ち、母は病弱です。お金のためにアルパゴン爺さんと結婚した方が良いと、結婚の世話人のフロジーヌというおばさんに頼まれたようです。「爺さんは先が長くない、爺さんがいなくなってしまったら大金が入る、その後でいくらでも好きな相手と結婚しておくれ」と。仕方がなく若い娘マリアーヌは結婚を承諾しました。ところが若い娘マリアーヌはアルパゴン爺さんの息子のクレアントと恋仲だったのです。そして、爺さんの娘のエリーズもひそかに執事のヴァレールと恋に落ちていました。このヴァレールは実は若い娘マリアーヌと兄妹だったのです。
そこから、恋愛の三角関係やお金のことが絡み合う「昼ドラ」さながらの縺(もつ)れ様を描いた作品であることがわかると思います。
お金が好きでお金のために子供の結婚を決め、お金で自分の気に入った娘と一緒になる、その欲望から様々なトラブルに巻き込まれていくのですね。

では「守銭奴」という漢字も紐解いて行きましょう。「守」は「かみ」という意味があり「神様」の「かみ」とは少し違います。「守」はその土地や組織を守る役人や警備する人のことを言います。また「お守り」の役割もあります。他から侵入されないこと、何かから身分を守ることとして使われます。
次に「銭」はお金のことを表します。貨幣の単位としても使われ「円の100分の1」です。日本の貨幣にはないのですが、言葉で「小銭(こぜに)」「銭湯(せんとう)」「賽銭(さいせん)」などと現代でも沢山使われている漢字です。
「奴」は江戸時代頃まで昔の下働きの人のことを表していました。「しもべ」や「身分の低い人」を表していたのです。現代でも人のことを乱暴な呼び方で「やつ」というように呼ぶ人がいます。「あいつ」という意味ですね。
「守銭奴」は「お金を守るやつ」という意味です。普通に聞くとお金を守ってくれるとは有り難いと思いますが、「自分のお金を守るやつ」で「奴」とつくということは「卑しい(いやしい)」と見下した表現なのです。

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「守銭奴」の英語表現と類義語

「守銭奴」の英語の表現

次に「守銭奴」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。

  • miser(守銭奴)

【例文】

  • Because that fellow is a miser, I will store up money(あいつは守銭奴だからお金をため込んでいるだろう)
  • She is the woman who is narrow-minded so as to be called a miser(彼女は守銭奴と呼ばれるくらいケチなおばさんだ)

「miser」は「守銭奴」の他に「しみったれた」「けちん坊」「みじめな人」という意味があります。どの意味にしても「miser」は良いイメージはなく、人を憐れんだような言葉です。

「守銭奴」の類義語

「守銭奴」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。

  • 吝嗇ん坊(しわんぼう、けちんぼう)
  • 金の亡者(かねのもうじゃ)
  • 握り屋(にぎりや)

「吝嗇ん坊」の「吝嗇」は「けち」や「りんしょく」とも読みます。「吝嗇ん坊」の意味は「何かにつけ物を惜しむ人」のことを言います。「金の亡者」は「すべてのことをお金で考え、お金にばかりこだわる人」という意味です。「亡者」とは何かに取りつかれた人のことをいいます。「握り屋」は「お金を蓄え、出すのを渋る人」という意味があります。こちらも「ケチな人」ですね。

 

「守銭奴」の使い方

最後に「守銭奴」の使い方を例文でご紹介します。

【例文】

  1. 「みんなは私のことを守銭奴と言うみたいだけど、お金がなければ生きて行けない」
  2. 「わずかな蓄えを守っているだけで、守銭奴と言われるのは心外ですね」
  3. 「うちのおじいさんは守銭奴と言われていたけれど、あの世にはお金は持って行けない」
  4. 「守銭奴と言われるくらいお金持ちになりたいものです」
  5. 「嫁はいつの間にか守銭奴になって、お小遣いが年々減らされつつある」

「守銭奴」は「お金を守り離さない」「財布の紐がかたい」人を表します。
「守銭奴(と言われる)」「守銭奴に(なる、なった)」などと使用される場合が多いですね。

 

お金持ちじゃなきゃ「守銭奴」にはなれない

ある程度のお金がなければ「守銭奴」にはなれません。お金がなく、「節約生活」を送っている人は「節約家」なのです。節約しなくても生活できるのにお金を出し惜しみし、お金に執着する人を「守銭奴」と嫌味を込めて呼ばれるようになります。そのくらいのお金持ちになってみたいものですが、お金持ちになったとしてもやはり使ってこそ「お金」なのです。
あなたもお金持ちになったら「守銭奴」にはならずに世の為、人の為、自分のためにお金を沢山使いましょう。

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