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造りの似た漢字ってつい、同じ読み方で読んでしまいますよね。音読みだと、それが意外と当たっていることが多いのです。しかし「壇」という漢字と「擅」という漢字はそっくりにも関わらず、読み方が違います。ですが、いつの間にかこの漢字がすり替えられてできている三字熟語があるのです。間違えた言葉にも関わらず、そのまま「常用」として今日も使われ続け、元の漢字はあまり日の目を見る機会が無いようです。
この記事では「独壇場」の意味や語源、英語の表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「独壇場」の意味と語源
「独壇場」の意味
それでは「独壇場」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「独壇場」は「どくだんじょう」と読みます。
「独壇場」とは「ひとり舞台」「その人一人の思い通りになる場面」という意味です。
その人の思い通りな振る舞いができる場面、又は分野でもあります。
「独壇場」の語源
続いて「独壇場」の語源をご紹介します。
では「独擅場」の語源ですが、「独」は「相手がいないひとり」「他人をかえりみないひとり」ということです。「擅」という漢字は「独り占め」「勝手きまま」という意味です。「場」は「何かが行われるところ」「舞台の情景」などを表します。「独擅場」は「独」の「ひとり」と「擅」の「ひとり」で「ひとり」が強調されている言葉で、その舞台ということです。
「独壇場」の英語表現と類義語
「独壇場」の英語の表現
次に「独壇場」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。
- Standing unrivaled(独壇場、独擅場)
- Monopoly(独壇場)
【例文】
- The stage became his standing unrivaled(舞台は彼の独壇場となった)
- The game became her standing unrivaled and swelled very much(試合は彼女の独壇場となり大変盛り上がった)
「Standing unrivaled」は「Standing」が「立っている」「常任」「地位」という意味があります。「unrivaled」は「競争相手がいない」「無類の」という意味です。
「Standing unrivaled」は「独壇場」の他に「比較するものがない」ということも表します。
「独壇場」の類義語
「独壇場」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。
- 総なめ(そうなめ)
- 独り勝ち(ひとりがち)
「総なめ」は「火事が広範囲にわたりすべてを焼き尽くす」「勝負の対戦相手をことごとく打ち負かすこと」「同じ分野で獲得する賞などをすべて貰う」ということです。「賞」についての意味が一般的に広まっていますよね。
「独り勝ち」は「他の人は負けているが、自分だけ勝っている、自分だけ成績が良い」ということです。
「独壇場」の使い方
最後に「独壇場」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「昔のテレビは、いつも同じ人の独壇場となっていた」
- 「このステージは僕の独壇場だ。誰にも邪魔はさせない」
- 「毎年運動会は彼の独壇場となっているので、今年はそうならないように僕が主役になる」
- 「ペット業界はずっと犬が独壇場にいたけれど、最近は犬だけじゃなく猫やうさぎ、ハムスターも人気が高い」
- 「昨日の会議は私の独壇場となり、気分が良かった」
「独壇場」は間違って出来た言葉ですが、しっかり日本語として使われています。
「独壇場(となる)「独壇場(だった)」などと使用されることが多いですね。
「独壇場」を「独擅場」と言う
「独壇場」は「独擅場」という言葉の漢字や発音の間違えで出来た言葉で、意味だけが一緒となっています。もしかしたら「どくせんじょう」と言っても、どのような意味なのか解らない人もいるかもしれませんね。
間違って使われてそのまま使われ続けている言葉はたくさんありますが、ほとんどが「由来」があやふやな物が多いです。その点「独壇場」は語源がハッキリしているにも関わらず、ちゃんと辞書に登録されている言葉なのです。
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