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私はよく手先が器用だと言われます。職人みたいだと言われることもあります。そんなことを言われると得意気になって、趣味の物づくりをどんどんやって、周りの人に配りたくなってしまいます。
ですが、本当は褒められているわけでは無かったのかもしれないと思い始めました。「こんなのお茶の子さいさいでしょ」「ちょちょいのちょいだね」などと言われると、私の手先をなんだか馬鹿にされた気になってきます。
大した考えもなく手だけを動かしているように思われているのではないかと。「小手先」、この言葉がその気持ちを生み出しました。
この記事では、「小手先」の意味や語源、使い方の例文、類義語や英語の表現をご紹介します。
「小手先」の意味と語源
「小手先」の意味
最初に、「小手先」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「小手先」は「こてさき」と読みます。
「小手先」とは、「手の先の方」という意味です。軽い才能と皮肉な使われ方として「ちょっとした能力」という意味もあります。
また、「その場しのぎで深く考えないこと」ということでも使用されます。
うわべだけでチョイチョイと物事を行うことなど、ネガティブなイメージが強いです。
「小手先」の語源
続いて、「小手先」の語源をご紹介します。
「小」という漢字は「大小」の「ちいさい」という意味や「わずか」「おさない」という意味がありますが、「小手先」の「小」は「規模がちいさい」「すこし」という意味です。
「手先」は「手の先端の方」を意味が手の指全体、もしくは「手」を表して「手先が器用」などという使い方を多くされます。「小」が付くことにより「規模がちいさい」「すこし」という「より手の先端」部分を表す言葉になります。
「手の先端の小さな範囲」ということです。
この「手の先端の小さな範囲」で、ちょっとしたことが簡単にできてしまう能力があるという意味で使用される「小手先」ですが、器用で羨ましいと思う反面、物事を片手間で行っているかのように見られ、皮肉って使われることが多いのです。
また将来を見据えず目に見えている先のことしか解決しないので「小手先だけで」などとその場しのぎの行動として悪いイメージでも使われます。
「小手先」の使い方
次に「小手先」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「母は小手先を上手に使い、細かなキャラ弁を毎日作ってくれた」
- 「彼は小手先が器用だから、これから上手に世渡りができるだろう」
- 「部長は、小手先のテクニックだけで上り詰めてきた人だ」
- 「小手先のことだけしか見て来なかったので、今になって経済が破たんしている」
- 「今後、小手先だけでは生きていけない。もっと将来を見据えなさい」
- 「解っていると思うが、今までの小手先の教育が今の日本の問題なんだ」
「小手先」は「うわべばかり良くして」というような使われ方をされがちです。
「小手先が(器用)」「小手先を(使う)」などと使用されることが多いですね。
「小手先」の類義語と英語表現
「小手先」の類義語
それでは、「小手先」の類義語をご紹介します。
- 小器用(こぎよう)
- 上っ面(うわっつら)
これら二つとも「小手先」と同じように、ちょちょいのチョイでやりのけてしまう、表面上のことを表現する言葉が類義語として挙げられます。
「小手先」の対義語として、以下の三字熟語も書きましたので参考にしてください。
「不器用」とは?意味と語源、使い方の例文【類義語・英語表現】
「不調法」とは?意味と語源、英語表現・類義語【使い方の例文】
「小手先」の英語表現
最後に、「小手先」の英語表現をご紹介します。
- Tip of one’s hand(小手先)
- Cheap tricks(姑息な手段)
英語の方もあまり良いイメージは無いようで、「一時の間に合わせ」の意味で使用されます。
三字熟語の英語表現を、実践で使えるビジネス場面別でまとめました。
ビジネス英語で使える三字熟語のまとめ30選【英語勉強サイトもご紹介】
まとめ:「小手先」ではなく見えない未来を
以上、「小手先」についてご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | こてさき |
意味 | 「手の先の方」「ちょっとした能力」「その場しのぎで深く考えないこと」 |
語源 | 「小」は「規模がちいさい」「すこし」、「手先」は「手の先端の方」ということ。「小手先」は「より手の先端の方」を表す。 |
類義語 | ・小器用(こぎよう) ・上っ面(うわっつら) |
英語表現 | ・Tip of one’s hand(手のひら) ・Cheap tricks(姑息な手段) |
指の先端だけで何かを成せるというのは実はすごいとは思うのですが、他人から見ると妬みの原因のようです。
「小手先」だけではない、見えない未来を見据えて物事を行うということが大切なのですね。
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