「前口上」とは?意味と語源、英語表現・類義語【使い方の例文】

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テレビのニュース番組で「次はこちらのニュースです」というより、「次はこの人も〇〇なこちらの話題です」と振る方が見る側の少し興味を湧き立たせますよね。
お笑いライブの前説なんかでも同じですね。若手芸人が頑張って、本編のライブに少し沿うような面白いネタをします。これが全く関係ないもので更に面白くないネタだと、「早く終わらせて本編始めてくれないかな」と思ってしまいます。
演劇や実演では、これを「前口上」と言います。
この記事では「前口上」の意味や語源、英語の表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。

「前口上」の意味と語源

「前口上」の意味

それでは「前口上」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「前口上」は「まえこうじょう」と読みます。
「前口上」とは「劇の始まる前に語られる前置きの言葉」という意味です。
前置きの言葉が長いと「前口上が長い」と言われます。

「前口上」の語源

続いて「前口上」の語源をご紹介します。

「前口上」は、古代ギリシャ劇の合唱隊「コロス」の最初の登場に先立つ部分を指す「プロロゴス」という言葉が語源です。
「プロロゴス」は劇の内容の予告や劇の必要な情報を観客に提供したり、劇の出来栄えの言い訳をしたり作者の言葉を代弁したりと、現在で言う「プロローグ」のことで「文章や物語の導入部、演劇の序幕」という意味があります。
つまり「プロローグ」の日本語訳が「前口上」というわけです。

「前口上」は劇の内容に関することなどを言うのですが、その「前口上」が長いと演劇を楽しみに来ている人は「早く劇を始めてよ~」と思います。
そこから前置きが長く、なかなか本題に入らない人の話を「前口上が長い」などとして使われ始めました。

「前口上」の英語表現と類義語

「前口上」の英語の表現

次に「前口上」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。

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  • introductory remark(前口上)
  • A prologue (前口上)

【例文】

  • You have a long prologue(君は前口上が長い)
  • I do not need the introductory remarks(前口上はいらない)

「A prologue」は、主に演劇で使われることが多いようです。
「introductory」の意味は「入門」ということです。「remark」は「言う」という意味がありますが「introductory remark」の場合は「意見、批評」という名詞の使い方になります。

「前口上」の類義語

「前口上」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。

  • 序詞(じょことば、じょし)

「序詞」とは「前書き、はしがき」という意味です。
この「序詞」は、和歌などであるメインの語句を導き出すために前に置く言葉のことを言います。
演劇の前に述べることも「序詞」といい、「前口上」と同じ意味で使われます。

 

「前口上」の使い方

最後に「前口上」の使い方を例文でご紹介します。

【例文】

  1. 「前口上は終わりにして、早く本編を始めてください」
  2. 「前口上が終わり、楽しみにしていた話がようやく始まった」
  3. 「私は『前口上が長いよ』と度々、鬱陶(うっとう)しく思われるみたいだ」
  4. 「前口上が長いと、興味がない内容は見る前に止めてしまう可能性がある」
  5. 「前口上は時間の無駄だから、今回は必要ないだろう」

「前口上」は話、演劇などの前に話される内容に沿った前触れです。
「前口上は(終わりにする)」「前口上が(長い)」と使われる場合が多いですね。

 

「前口上」も必要なことです

「前口上」は私たちが普段使用するときは、「前置き」のような感じで少し鬱陶(うっとう)しいようなイメージがあります。
聞いている方は要件を早く言ってほしいのに、「前口上」を長々と語る人がいるからです。
でも、短めの「前口上」であれば必要なのです。
単刀直入にいきなり本題に入ると、会話に面白みが無くなります。本題の内容に沿った「前口上」は、より本題が面白くなるために必要なものなのです。

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