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あなたは「手一杯」という言葉の意味がお分かりですか?手がたくさんあるような感じがして、ちょっとホラーな気分になりますが、そうではありません。
また「手一杯」という字を見ると、たくさんの物を手にしているようなイメージもあります。
たくさんの物を持っているというと、何となく裕福でお金持ちの感じもしますが、それとも違うのです。では「手一杯」とはどのような意味なのでしょうか。
この記事では、「手一杯」の意味と語源、使い方の例文、類義語と英語表現をご紹介します。
「手一杯」の意味と語源
「手一杯」の意味
最初に、「手一杯」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが、「手一杯」は「ていっぱい」と読みます。
「手一杯」とは、「その仕事だけで、それ以上の余裕がないこと」「力の限り」という意味です。
ギリギリまで力を尽くし、それ以上は余裕がないことを表します。
「手一杯」の語源
続いて、「手一杯」の語源をご紹介します。
「手一杯」を二つに分けて解説していきましょう。
「手」はご存知の通り、人の体にある「手」です。腕から下の部分にあり、物をつかみ様々な作業ができます。その他の「手」の意味では、「方法」「手法」など物事のやり方を表すこともあります。
「一杯」は「盃」「茶碗」の数えかたで使用され、一杯、二杯、三杯と数えます。
また、接尾語的に使用され、「腹一杯」「精一杯」「力一杯」などと「たくさん」の意味合いで使用されます。「手一杯」も同じ使われ方です。
数の数え方ではなく、手に持っているものがいっぱいでもうこれ以上は無理!という状態を表しているのです。
「手一杯」の使い方
次に、「手一杯」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「あっちもこっちも手一杯だから、君の依頼は受けられないんだ」
- 「店を拡げて手一杯な状態の彼が心配だ」
- 「子供がたくさんで手一杯なのに、仕事も家事もしている娘は大変だ」
- 「仕事の繁忙期は、手一杯で他人に気を配る余裕がなくなる」
- 「彼は一つ仕事を任せると、それで手一杯になり他のことが疎かになりがちだ」
「手一杯」は、余裕がない状態を表す言葉です。
「手一杯な(状態)」「(仕事で)手一杯だ」などと使われることが多いですね。
「手一杯」の類義語と英語表現
「手一杯」の類義語
それでは、「手一杯」の類義語をご紹介します。
- 精一杯(せいいっぱい)
- 目一杯(めいっぱい)
「精一杯」は「できる限り」「持っている力のすべて」という意味です。「手一杯」と意味合いは似ていますが、「手一杯」が余裕のない状況で、「精一杯」は精神的な部分も含め、「力も心もできる限り」という使い分けをします。
「目一杯」は「目盛りいっぱい」「限度いっぱい」と計りのように使用することが多いです。
「精一杯」と「目一杯」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「精一杯」とは?意味と語源、使い方の例文【類義語・英語表現】
「目一杯」とは?意味と語源、英語表現・類義語【使い方の例文】
「手一杯」の英語表現
最後に、「手一杯」の英語表現をご紹介します。
- full hand(手一杯)
- having one’s hands full(手一杯)
- to the full(ものすごく、手一杯)
【例文】
- I have my hands full with my current job(私は今の仕事で手一杯である)
- I quit the business that I had my hands full(手一杯広げた商売を辞めてしまった)
「手一杯」を英語で表現する場合は、「full」がポイントですね。「full」は「いっぱい」「満ちた」という意味があります。
まとめ:「手一杯」でも心の余裕を
以上、「手一杯」についてご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | ていっぱい |
意味 | その仕事だけでそれ以上の余裕がないこと、力の限り |
語源 | 手は体の一部で物を掴むことで作業ができる。一杯はたくさんということで、手にたくさん持っていることを表現することで「それ以上は無理」という状態を表す言葉となった。 |
類義語 | ・精一杯(せいいっぱい) ・目一杯(めいっぱい) |
英語表現 | ・full hand(手一杯) ・having one’s hands full(手一杯) ・to the full(ものすごく、手一杯) |
「手一杯」は手がたくさんあることではなく、手の中がいっぱいということで、余裕のないことを表していました。「手一杯」になることは、心の余裕もなくなるのでお気を付けください。
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