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「頓珍漢」という言葉、あなたはよくご存知で使用されたこともあるでしょう。
この「頓珍漢」は、私の為にある言葉ではないかと思うことがあります。たまに「頓珍漢なことしたなあ、言ってるなあ」と思うこともありますし、「頓珍漢なことしてる」と言われたこともあります。
私自身は真面目に、真剣に物事に取り組んでいるのですが、どうやら的を得ていないことが多く、空回りばかりしてしまうのです。
そして周りに少なからず迷惑をかけています。
そんなことを「頓珍漢」とたった3文字で表現できてしまうのですね。
この記事では、「頓珍漢」の意味や語源、使い方の例文、類義語や英語の表現をご紹介します。
「頓珍漢」の意味と語源
「頓珍漢」の意味
最初に、「頓珍漢」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「頓珍漢」は「とんちんかん」と読みます。
「頓珍漢」とは、「物事の辻褄が合っておらず、ちぐはぐなこと」という意味です。
間の抜けた言動をすることも「頓珍漢」と言われます。
「頓珍漢」の語源
続いて「頓珍漢」の語源をご紹介します。
先にお伝えしておきますが「頓珍漢」は当て字です。
「頓珍漢」は昔の鍛冶屋さんから生まれた言葉と言われています。鍛冶屋さんとは鉄製品を作る職人さんのことを指すのですが、職人さんには弟子がいました。
鍛冶屋さんは鉄を熱して叩いて形にしていき、職人の親方が鉄を打つ動きに合わせて弟子が打つこともあるのです。弟子は未熟なこともあり、親方の槌(つち)に合わせて打つことが下手なのです。タイミングがずれてしまうと、鉄を打つ音がちぐはぐになってしまい、リズム感が悪いです。
鉄を打つ音がバラバラなことが「とん、ちん、かん」とされ、間の悪いこと、ちぐはぐな様子を「頓珍漢」と漢字が当てられ使われるようになりました。
しかし、当て字と言えどそれぞれの漢字を紐解いて行くと、「頓」は「つまずく」「くじける」という意味があり、「珍」は「普通と変わっている」「おもしろい」、「漢」は「男」という意味もあります。昔の鍛冶屋さんの弟子は男の人が多かったでしょうから、「頓珍漢」は遠からずな意味の当て字ですね。
ちなみに「槌(つち)」というのは物を叩く工具のことを言いまして、主に金槌や木槌のことです。
上手に親方と弟子が交互に槌を打つことを「相槌(あいづち)を打つ」と言われ、現代でも沢山使われる熟語となっています。
「頓珍漢」の使い方
次に、「頓珍漢」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「頓珍漢なことを言うやつが新人で入って来た」
- 「この頓珍漢が!何度言ったら解るんだ!」
- 「彼は頓珍漢なことを言って、いつも周りを和ませている」
- 「ナビが頓珍漢な案内をしたせいで、遠回りして裏側に着いちゃったよ」
- 「最近は理屈が合わない、頓珍漢なことを言って言い逃れしようとする政治家が多い」
「頓珍漢」は辻褄が合わない言動です。人によっては意図的に「頓珍漢」な発言をする人もいます。
「頓珍漢な(人)」「頓珍漢な(ことを言う)」などと使用されることが多いですね。
「頓珍漢」の類義語と英語表現
最後に、「頓珍漢」の類義語と英語表現をご紹介します。
「頓珍漢」の類義語
続いて、「頓珍漢」の類義語をご紹介します。
- 支離滅裂(しりめつれつ)
- 無茶苦茶(むちゃくちゃ)
「支離滅裂」は「物事に一貫性がなく、バラバラで、まとまりがないこと」という意味です。
「無茶苦茶」は「筋道や順番の筋が通っていないさま」という意味です。
「頓珍漢」「支離滅裂」「滅茶苦茶」の中で一番言われたくないのは、「支離滅裂」でしょうか。何故か本当に混乱している感があります。
「支離滅裂」「無茶苦茶」は、こちらの記事に詳しく書いています。
「支離滅裂」の意味や語源とは?例文による正しい使い方をご紹介!
「無茶苦茶」とは?意味と語源、使い方の例文【類義語と英語表現】
「頓珍漢」の英語表現
最後に、「頓珍漢」の英語表現をご紹介します。
- irrelevant(頓珍漢)
- beside the point(見当違いな)
「Irrelevant」は「無関係」という意味もあります。やはり全く無関係な発言をすると「頓珍漢」と言われるのですね。
三字熟語の英語表現を、実践で使えるビジネス場面別でまとめました。
ビジネス英語で使える三字熟語のまとめ30選【英語勉強サイトもご紹介】
まとめ:語源が面白い「頓珍漢」
以上、「頓珍漢」についてご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | とんちんかん |
意味 | 物事の辻褄が合っておらず、ちぐはぐなこと。間が抜けている言動 |
語源 | 鍛冶屋の師弟の槌がバラバラなところから |
類義語 | ・支離滅裂(しりめつれつ) ・無茶苦茶(むちゃくちゃ) |
英語表現 | ・irrelevant(無関係) ・beside the point(ポイントの横に) |
「頓珍漢」は鍛冶屋さんの師弟のタイミングがずれた音から出来た言葉ですが、何となく音が心地よく、受け継がれてきた言葉ですね。
日本語の面白さが出ている言葉ではないでしょうか。
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