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私はご飯を食べるのが遅いです。みんなの三倍かかります。子供のころから遅く、そして困ったことは、外食です。大人の量のメニューしかない時は父や母から少し貰って、小丼ぶりをお店から借りて食べました。大人のご飯の量がとてつもなく多いので。未だにご飯の量は多いなと感じますが、大人になり食べる速度は変わらないまま「一人前」を食べられるようになりました。
ところで、「一人前」って食事の量ではもちろん聞きますが、他の場面でも耳にすることがありませんか?
この記事では、「一人前」の意味と語源、使い方の例文、類義語と英語表現をご紹介します。
「一人前」の意味と語源
「一人前」の意味
最初に、「一人前」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「一人前」は「いちにんまえ」と読みます。
「一人前」とは、「ひとりぶんの量」「大人と同じ能力がある」「所属している場所で同じ仲間として認められる」という意味です。
食事のひとり分の量を表わしたり、経験を積み、能力、技能が認められたりすることをいいます。
「一人前」の語源
続いて「一人前」の語源をご紹介します。
子どもはたくさんの量を食べられない子が多いですよね。お子様ランチなどというものがありますが、大人の食べる量に比べて少ないです。「一人前」は大人の食べる量です。子どもが成長し、大人の量を食べられるようになると「一人前」と呼ばれるようになります。そこから、大人と同じような働きが出来るようになる、その会社で先輩たちと同じ働きが出来るようになることを「一人前」と呼ぶようになりました。
「一人前」の「前」は接尾語としての意味があり、「一人」と合わせることで言葉の調子を整えているのです。「男前」「腕前」の「前」も同じような働きをしており、飾りのようなものなのです。
「一人前」の使い方
続いて、「一人前」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「一人前の男のくせにと言われるが、それはセクハラではないのか?」
- 「彼が一人前に成長するまでは、再婚はできない」
- 「一人前の中華料理を三人で分けて食べ合うと、丁度良いと思う」
- 「ここの店の一人前は、ボリュームがありすぎる」
- 「私は一人前になるまで家に戻らないと決意をして、家を出た」
- 「一人前の仕事が出来るようになるまで、この業界では10年かかると言われている」
「一人前」は、一人の大人として見てもらうことです。
「一人前の(大人)」「一人前の(料理)」「一人前に(なる)」などと使われることが多いですね。
「一人前」の英語表現と類義語
「一人前」の類義語
それでは、「一人前」の類義語をご紹介します。
- 一丁前(いっちょうまえ)
「一丁前」は「いっちょまえ」と言われることもあります。意味は「一人前」ということです。
「丁」というのは律令制において成人男子を表す「正丁(せいてい)」のことで21歳~60歳までの男子のことをいいました。
「一人前」の英語の表現
最後に、「一人前」の英語表現をご紹介します。
- growing up(一人前)
- full-fledged(一人前)
【例文】
- It is patience before his growing up to an adult(彼が一人前に成長するまでの辛抱だ)
- I can do full-fledged work(一人前の仕事ができる)
「growing up」は「育つ」という意味があります。「full-fledged」は「羽毛が生えそろった」という意味があり、それも大人になった証ですね。
他にも「full man」という言葉で「一人前」を表すこともできますよ。
まとめ
以上、「一人前」について、ご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | いちにんまえ |
意味 | 「ひとりぶんの量」「大人と同じ能力がある」「所属している場所で同じ仲間として認められる」という意味 |
語源 | 子供が大人の食べる量を食べられるようになることで、大人と同等と見なされることから |
類義語 | 一丁前(いっちょうまえ) |
英語表現 | ・growing up(育つ) ・full-fledged(羽毛が生えそろった) |
「一人前」になるのは簡単なことではありません。子供が大人になり、一人の人間として責任ある行動がとれるようになるまで、たくさんの時間と経験が必要です。
それと同じで、仕事に就きその職場で「一人前」と呼ばれるのは、すぐとはいかないでしょう。そして「一人前」と言うのは自分が決めるものではなく、人が認めてくれることです。
自分では「一人前」と思っていても、他人からみると、まだまだということもありますし、その逆もありますよね。「一人前」は大人の食事の量が、食べられるだけではダメなのです。
身体も心も「一人前」でなければ認められません。
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